無料塾

 今、無料塾が各地で開設されている。私の関係する塾は、熱田区に本部がある。主宰者の夫が経営していた工場の2階がそれで、20畳もないくらいの部屋だ。主宰者の好みで鉢植えのポトスが窓際にたくさん置いてあるから「ポトスの部屋」とよんでいる。他に港医療生協の当知診療所と港診療所にも分室を持っている。私は当知診療所で毎週水曜日、2人の中学3年の女子の勉強相手をしている。2人とも母子家庭。
 3つの教室をまとめて「ポトスの部屋」ということにする。
 「ポトスの部屋」には、勉強の相手をするサポーターが20人ほどいる。そのうち学生が10人ぐらい。「ほど」とか「ぐらい」というのは、私が全員を知らないし、みんなで何人いるかを正確に把握していないからだ。サポーターは勉強の面倒を見る人以外に、お茶、おにぎり、おやつなどを出すだけに来る人もいる。
 「学生サポーター研修会」が行われた。看板に偽りありで、実際に参加した学生は3人。11人が元教師をはじめとした一般市民。「ポトスの部屋」が発足して2年になる。生徒の中には、家庭的にも、学力的にも問題を持っている子が多い。サポーターは熱心に指導するが、指導法や接し方に頭を悩ますことがままある。まして、ボランティアで参加している学生にとっては、慣れないことで何をどうやって指導したらいいか困ることもあるようだ。そこで、今日の研修会となった。
 研修会の内容は、「子どもの最善の利益を考えるとは」、「学び支援への大人の配慮」、「数的学びをどう子どもに楽しく伝えるか」、「言語的学びをどう子どもに楽しく伝えるか」、「学びの場の子どもたちのことについての意見交換」と盛りだくさんだった。やや、片意地をはったテーマだが、中身はゆったりしたもので、「言語的学び…」は私が話した。
 私が相手をしている2人の生徒の一人は問題集の答えを丸写しにして、ことたれり、と考えている節がある。サポーターの中にはそれが気に入らない人もいる。私は、答えを写すのも学びの一つだと思って、それを否定しないで、写した内容を別な角度か突っ込むようにしている。例えば、彼女が写した文の中にI got up at six this morning.という文があったとする。写し終わるのを待って、意味を聞き、読ませ、暗記させ、書かせる。この実践を、「答えの丸写しは悪いことか~相手のペースに乗ってみる」というテーマで話した。話したのはこれを含め6項目だったが、このことに一番反応があった。
 反応があったのはもう一つ、「入試対策をどうするか」である。遅れている勉強を回復するために1年生の内容にまで立ち戻って教えている。生徒も食いついてくる。しかし、入試は1年生の内容だけから出題されない。どうしたものか。「できるだけのことをやった上で、生徒達が希望して選んだ高校に入れなくてもそれは仕方のないこと」、「県の93%の計画進学率のもとで入試に落ちる子は当然いる。高校希望者全入に向けての働きかけも必要だ」というような意見もあった。
 会場を変え、昼食を一緒にとり交流をした。

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